神奈川県と山梨県との県境、相模原市の藤野町奥牧野のある平城。
　平城と言っても、その周りは山間で、平らな土地は少ないところです。

　秋山川がS字型に蛇行する標高278mの小平地が「城山」と呼ばれ、昭和始めまでは土塁が南北に走っていたそうです。
　奥牧野城山（奥牧野城）の西側北側南側を秋山川が蛇行して流れ、天然の崖となっており、対武田として見ると、北条勢側の防御体制としては、大変良い立地です。

　奥牧野は、甲斐から相模に至る秋山口にあたり、さらに津久井を結ぶ青根街道が通じている為、相模国防衛の最前線として、小田原北条氏が築かせた城であると考えられます。

　ここは戦国時代始めの頃に武田信虎と小田原北条が合戦をした場所でもあり、戦死者を埋葬して奥牧野城山（奥牧野城）の東端に塚（傘松塚）を築いたとされ、かつて鎖帷子などが出土したと言います。

　発見ニッポン城めぐりでも、奥牧野城は攻略対象となっています。

　城跡の南方には、日帰り温泉の秋山ネスパがありますよ。
　また、この付近には雛鶴姫伝説や、牧野で帰農した元今川家家臣の蒲原得兼の話も別途ご覧頂けますと幸いです。

　(下記写真は、奥牧野城へ繋がる、秋山川に掛かる橋)

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