コンドームを着けるシーンにキュンキュン

 彼女役のAV女優早乙女らぶ（23）に話を聞いた。

AV女優早乙女らぶ

「男性向けのAVとは真逆です（笑）。男性向けは舐めるときも、舌をべろっと見せて、ヨダレもダラダラ。だけど女性向けAVの台本には、『上品に』と書いてあって。『全体的にゆっくりゆっくり進めて』というのも、プロデューサーからの指示でした。相手の乳首を触るのも、普段は指でつまんでひたすら素早く動かすんですけど、そうじゃなく、手のひら全体でゆっくり撫でる感じです」

 ふむふむ。実際、最初のキスから挿入まで約25分。私はだんだん気持ちが高まっていく感じがして良かったけど、世の男性陣には「長い！」らしい。

「びっくりしたのは、コンドームを着けるシーン。男性向けだったら、見せないようにカメラの向こうでやってることなので。でも、それも女の子がキュンキュンするポイントだと思います。大事にされてる感がありますよね」（同前）

 行為の最中に、一徹の背中や二の腕などがたびたびクローズアップされたのだが、これも女性向けならではなんだとか。また、

「男性向けAVだと、正常位でも身体を離すのが基本ですが、女性向けでは密着させる。これも女性の胸キュンを考えてのこと。あと、男性向けAVにありがちな“淫語”のやりとりはありません。そのかわり、『愛してる』とかアイコンタクトとかの愛情表現がある。女子はこういうの、欲しかったと思います」（同前）

 そう、それ！ 行為の最中、一徹と彼女はずっと視線を絡ませあっているのだけど、その男の表情が「彼女のことが愛おしくて仕方がない」という感じなのだ。

 この女性向けAVレーベル「シルクラボ」、大ブレイク中なのである。プロデューサーの牧野江里氏が中心的な仕掛け人となり、社内で女性を集めて立ち上げたが、AV業界では実売2、3000本でヒットとされるなか、09年の『ファインダーの向こうに君がいた』は約1万本を販売したという。

 何がそこまで、女性のハートを掴んだのか。牧野氏に聞いた。

【次ページ】 前戯は小さな胸キュンの積み重ね